金庫を無料で処分・破棄する方法や注意点とは?耐火金庫の対応も解説
ご自宅にある金庫を処分したいけれど、「方法がわからない」という方は多いのではないでしょうか。金庫の処分は頻繁に行うものではありませんから、いざ処分するとなったときにどうすればいいかわからず困ってしまう方は多いです。
今回の記事では金庫の種類や特徴、金庫の正しい捨て方や処分前の注意点、処分の費用相場について詳しく解説します。
金庫は粗大ゴミとして処分することができません。金庫の処分・破棄を検討している方は、正しい処分方法を把握しておきましょう。
目次
金庫の種類や特徴とは
金庫には「耐火金庫」と「防盗金庫」の2種類があります。金庫の種類によって処分・破棄できる方法が変わってきますから、まずはそれぞれの特徴からご自宅にある金庫がどちらの種類なのか把握しておきましょう。
耐火金庫
耐火金庫は火災が起こった際に現金や通帳、貴金属などの貴重品を火から守る機能性がある金庫のことです。JIS(日本産業規格)による耐火テストで合格した金庫のみが耐火金庫として認められています。耐火テストの合格基準は「試験時間中の金庫内の温度が177度以下であること」と、「試験中に金庫に入れていた新聞の文字が読めること」となっていて、試験時間は0.5時間から4時間です。試験時間によって耐火金庫のグレードは異なり、グレードは5段階あります。
耐火金庫に使われている素材の一つに、気泡コンクリートがあります。この気泡コンクリートに含まれる水分は、時間の経過とともに気化してしまい、水分が減ると本来の機能性を発揮できません。そのため、耐火金庫の寿命は20年程度と言われています。20年以上経過した金庫でも金庫としての役目は果たしますが、耐火性能目的で金庫を設置している場合は買い替えを検討しましょう。
耐火金庫の中には、熱に弱い磁気データの保管に強いデータセーフ金庫というタイプ、急加熱や耐衝撃に耐えうる性能を持った耐火金庫もあります。
防盗金庫
災害時でも現金や通帳、貴金属などの貴重品を安全に守るために金庫を設置している方は多いです。しかし耐火金庫は、泥棒が入った時に現金や貴重品を守る機能が十分とはいえません。
防盗金庫はハンマーやドリルなどの工具による金庫の破壊、バーナーなどによる溶接にも強い特殊合金を使用した金庫です。鋼製家具の製造・販売を行っている日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会が実施する防盗基準テストをクリアした金庫だけが、防盗金庫と名乗れます。もちろん、火災などの災害に対応する耐火テストにも合格しています。
耐火金庫の材質は公開されていますが、防盗金庫に使われている特殊合金は企業ごとに開発されており、その材質は企業秘密です。
防盗金庫にも耐火性能がありますから、耐火性能を維持したいのであれば20年を目安に買い替えることをおすすめします。盗難を防ぐ目的で金庫を使用するのであれば、防盗金庫に寿命はありません。
耐火金庫は粗大ゴミで処分できない
金庫を処分したい場合、耐火金庫は粗大ゴミとして処分できません。これは耐火性能を持つ金庫には、気泡コンクリートや特殊合金、鋼材などが使用されているからです。防盗金庫も耐火性能がある金庫なので、粗大ゴミとしての処分はできません。耐火金庫や防盗金庫を処分するためには、自治体でゴミとして処分する以外の方法を取る必要があります。
ただ、一般家庭用の耐火性能のない手提げ金庫であれば、粗大ゴミや燃えないゴミとして処分可能です。現在処分したいと考えている金庫が手提げ金庫なのであれば、自治体のホームページなどで、手提げ金庫の処分が可能か、可能な場合はどのゴミ区分になるのかを確認しておきましょう。
耐火金庫・防盗金庫の処分方法は、次の章で詳しく解説します。
金庫の正しい捨て方9つ!
ここからは粗大ゴミとして処分できない耐火金庫・防盗金庫の処分方法を詳しく解説していきます。無料で処分する方法もありますし、金庫の状態や種類によっては不要な金庫をお金に変えられる可能性もあります。正しい捨て方を把握して、最適な処分方法を選びましょう。
1. 専門業者に依頼
金庫を処分したい場合、金庫の鍵開けや修理などを行っている専門業者に問い合わせてみましょう。全ての金庫専門業者が金庫処分を請け負っているわけではありませんが、対応している業者もあるので、まずは問い合わせてみてください。
特に処分したいと考えている金庫の鍵が開かないという場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。金庫は鍵が開いていない状態では処分できません。また、中に重要なものが入っている可能性もあります。金庫の専門業者なら、金庫の鍵を開けて中身を確認した上で処分まで一貫して依頼できるのでスムーズです。
金庫の処分を行ってくれる業者は、自治体の産業廃棄物収集運搬業許可を得ている必要があります。許可を得ていない業者が処分するのは違法ですから、悪徳業者の可能性が高いです。必ず確認するようにしましょう。
2. 金庫を購入したお店に依頼
処分したい金庫を購入したお店がわかっているのであれば、購入店に相談するのも一つの方法です。購入店であれば問題なく引き取ってくれるでしょう。ただし、購入したお店で引き取ってもらう場合、新しく金庫を購入しないと有料になってしまうこともあります。まずは金庫を購入したお店に相談して、引き取りが可能か、可能な場合は費用の有無を確認しましょう。
3. 新しく金庫を購入するお店に依頼
金庫の買い替えを検討しているのであれば、新しく金庫を購入するお店に引き取りを相談するのがおすすめです。新しく購入する場合は引き取り費用が無料になることもあります。費用が発生したり、送料や出張料のみ購入者負担になったりする可能性はあるものの、ほぼ確実に引き取ってもらえる方法なので、新しい金庫の購入時には相談してみましょう。
4. メーカーに相談する
金庫を購入したお店が閉店している、金庫を購入したお店がわからないという場合は、メーカーに相談してみてもいいでしょう。メーカーが引き取りに対応してくれたり、お住まいのエリアで引き取り対応ができるお店や業者を相談してくれることもあります。
5. 日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会に相談
日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会では金庫の処分に関する相談を受け付けています。東京・名古屋・大阪・広島・九州には各エリアのセーフ・ファニチュア協同組合連合会があるので、そちらに相談しても構いません。金庫の処分に関する相談だけでなく、金庫全般の悩みに関しても対応してくれます。
6. 不用品回収業者や遺品整理に対応している業者に依頼
不用品回収業者は自宅にある不要になったものを、回収してくれる業者です。不用品回収業者はあらゆる不用品に対応しており、金庫の処分にも対応してくれます。金庫一つからでも対応してくれますし、家庭に不要な家具や家電があるのであれば、一括で引き取ってもらうことも可能です。
「故人の遺品整理の際に金庫が見つかった」「生前整理で金庫を処分したい」という方は、遺品整理や生前整理を請け負っている業者に依頼するのもおすすめです。遺品整理・生前整理業者は金庫を専門に扱っている業者ではありませんが、不要になったものの処分に対応してくれます。金庫以外の物の整理や処分も一括でできるので、業者に依頼して行う遺品整理や生前整理を検討しているのであれば、金庫の処分も任せてしまいましょう。
不用品回収業者や遺品整理・生前整理を行っている業者の中には買取も同時に行っている業者もあり、まだ使用できる金庫なら売却できる可能性もあります。回収費用と買取金額は相殺になるので、価値がある金庫やその他の不用品があれば、臨時収入が得られるかもしれません。
ただ中には悪徳な回収業者もあり、法外な費用を請求されてしまうトラブルも起きています。不用品回収業者、遺品整理・生前整理に対応している業者の場合は、必ず自治体の一般廃棄物運搬収集運搬業を得ている業者かどうかを確認しましょう。買取を行う業者なら古物商許可も必須です。
7. リサイクルショップで買い取ってもらう
まだ新しくて状態がいい金庫、人気のメーカーの金庫であればリサイクルショップで買い取ってもらえるかもしれません。お店によって買取できる金庫の条件が異なりますので、まずは買い取りができるか尋ねてみてください。
耐火金庫や防盗金庫の場合、サイズが小さかったとしてもかなり重い金庫が多いです。リサイクルショップなら出張買取を行っているところも多いので、負担なく売却できるでしょう。ただし、必ずしも買い取ってもらえるとは限りませんから、事前にメーカーやサイズ、製造年などを伝えて、査定可能か確認しておきましょう。ちなみにリサイクルショップで買い取ってもらいやすいのは、70キロ以下の家庭用金庫です。
オンライン査定に対応しているところなら、リサイクルショップのホームページから査定依頼ができます。オンライン査定に対応しているリサイクルショップなら、宅配便で金庫を発送できるケースもあります。
値段がつけば無料で手放せる一方、リサイクルショップの金庫の買取価格はそれほど高額でないことが多いです。出張費用でマイナスになってしまうこともあるので、買取希望の場合は査定してもらった額から出張費用を差し引いて決めるようにしましょう。
8. フリマアプリ・ネットオークションで販売
まだ使用できる金庫であれば、フリマアプリやネットオークションで販売できる可能性があります。フリマアプリやネットオークションであれば、ご自分で売却価格を設定できるため、思わぬ収入になるかもしれません。特に比較的新しい金庫や、人気のメーカーの金庫であれば、高値で売れる確率は高いでしょう。保証書や取扱説明書があるなら揃えておきましょう。
フリマアプリやネットオークションでできるだけ高値で売却したい場合は、金庫の汚れをきちんと取り、状態がわかりやすいように複数枚の写真を撮って、文章でも金庫の状態やメーカー、サイズなどを詳しく記載します。ただ、実際は汚れや傷があるにも関わらず、高値で売りたいがために嘘をつくと、トラブルの元になりますので気をつけましょう。
フリマアプリやネットオークションの場合、梱包や発送などの手間はかかってしまいますが、リサイクルショップで販売するよりは高く売れることが多いです。ただし、いつ売れるかはわからないので、売れるまでは自宅での保管が必要です。
9. ジモティー等で無料で譲る
ジモティーなどの掲示板を利用すれば、近くに住む人や引き取りに来ることが可能な人などに、無料で不要になった金庫を譲ることができるかもしれません。
欲しいという人が現れなければ手放せませんが、マッチした場合は無料で金庫が処分できます。時間と手間はかかりますが、費用を払って処分したくないのであればおすすめの方法です。リサイクルショップで査定してもらえなかった金庫や、ネットオークションやフリマアプリで売れなかった場合でも無料で金庫が処分できます。
また、友人や知人に欲しい人がいれば譲ってしまうのも一つの方法です。友人や知人であればトラブルになる可能性はまずありませんし、引き渡しまでスムーズに行えるでしょう。
処分・破棄する前に確認すべきポイント
金庫の処分・破棄を考えているのであれば、その前に確認しておきたいポイントがあります。スムーズに処分できるように、すぐに確認してメモしておきましょう。
1. 金庫のメーカー、年式、型番を調べる
必ず金庫のメーカー、年式、型番を調べておきましょう。これらの情報があると、業者に処分を依頼する場合でも、買取や売却を希望する場合でもスムーズに処分まで進められます。金庫の内側や裏側にメーカーや年式、型番が書かれたシールが貼ってあるはずですから、確認しておきましょう。
保証書や取扱説明書があれば、そちらにも記載されています。買取や売却を検討している場合は保証書や取扱説明書の有無で値段が変わるため、必ず探しておきましょう。高値で売れやすいメーカーは、ダイヤセーフやセントリー、日本アイ・エス・ケイ、ダイヤセーフなどです。
2. 金庫の大きさと重さを調べる
費用を払って処分する場合、金庫の大きさと重さで処分料が異なります。買取査定をしてもらうときも大きさと重さは必須ですし、フリマアプリやネットオークションでも商品詳細に大きさや重さは書かなければなりません。
インターネットで検索するか、取扱説明書を確認して、必ず大きさと重さを明確にしておきます。インターネットでは商品スペックが見つからない場合、取扱説明書を処分してしまった場合で、重すぎて重量が測れない場合は、サイズだけでも測っておきましょう。
3. 金庫の鍵のタイプを調べる
金庫の鍵タイプはシリンダー、ダイヤル式、テンキー、マグネットロック、生体認証、磁気カード・ICカードなどさまざまなタイプがあります。売却する場合は鍵のタイプによって買取価格や売れやすい価格が変わってるため、鍵のタイプを調べておきましょう。
フリマアプリやネットオークションを利用する場合は、同じ鍵のタイプの金庫の相場をチェックしておくと参考になります。
金庫処分の費用相場
業者に回収してもらう場合、1kgあたりの回収費用相場が200〜250円程度です。重さ別にまとめると、費用目安は以下の通りになります。
- 20kg 4000〜5000円
- 40kg 8000〜10000円
- 60kg 12000〜15000円
- 80kg 16000〜20000円
- 100kg 20000〜25000円
- 120kg 24000〜30000円
金庫の専門業者に依頼する場合、鍵が開かない場合は解錠費用などもかかってきます。費用は鍵のタイプや年式によっても変わりますから、必ず業者に見積りを依頼しましょう。
業者によって異なりますし、あくまで目安ですが、これくらいの費用がかかってくると考えておきましょう。不用品回収業者や遺品整理・生前整理回収業者の場合、トラックに積み放題のプランをもうけているケースが多いです。他にも不用品や処分したいものがあるのであれば、積み放題プランの方がお得に処分できるかもしれません。
金庫の処分に悩んだらプロへ依頼しよう!
「金庫を処分したい」「処分予定の金庫の鍵が開かない」など、金庫に関する相談やトラブルなら金庫のプロである金庫専門業者に相談するのがおすすめです。
金庫のトラブルに365日対応している「お近くの金庫鍵開けセンター」なら、迅速に金庫処分やトラブルに対応します。金庫の処分を検討している方、トラブルでお困りの方は、「お近くの金庫鍵開けセンター」にお問い合わせください。
金庫の専門業者を選ぶときのポイント
金庫の解錠やトラブル、処分などを行っている業者はたくさんあります。中には悪徳業者もいるので、ポイントを押さえて選ぶことが大切です。業者選びの際に押さえてくべきポイントを紹介します。
1. 業者の実績
これまでの業者の実績を確認しましょう。実績のない業者の場合、作業したものの、結局解錠できなかったというケースも珍しくありません。解錠を希望する場合、その業者がどのような鍵のタイプの金庫に対応しているのかは特に重要です。
2. 防犯整備士が在籍しているか
防犯整備士とは、防犯に関する知識や技術を持っていることを証明する資格のことです。金庫を扱うために防犯整備士の資格が必須というわけではありませんが、防犯整備士の資格を持ったスタッフがいれば金庫に関する専門的な知識を持っていますから、安心して依頼できます。
3. 365日対応やスピード対応の可否
「すぐに金庫を処分したいから鍵を開けて欲しい」という時に、すぐ対応してもらえなければ処分できません。365日対応している業者や、即日対応ができる業者なら、必要な時にすぐ依頼できます。同時に処分してくれる業者なら、その日のうちに処分が可能です。見積りを依頼してもなかなか来てくれない業者は、作業もスピーディーでない恐れがあるので避けた方が無難です。
4. 見積りをしてくれるかどうか
一般的には作業を行う前に見積りを行い、費用に納得してから作業が始まります。しかし、悪徳業者の場合、作業をしてから費用を請求するケースがあり、「作業をしてもらっている手前、費用を払うしかなかった」というトラブルに見舞われてしまう方も少なくありません。トラブルを避けるために、必ず事前の見積りは依頼しましょう。
5. 見積額が明確
金庫のトラブルや処分への費用はある程度決まっているものの、鍵のタイプや状態などによって費用は前後します。解錠が難しい場合、通常の費用にプラスで料金がかかることもありますが、見積額を見て、不明な費用が含まれていないか確認しましょう。よくわからない名目の費用がある場合は、それが何か確認してください。優良な業者ならわかりやすく説明してくれます。
6. 複数の業者に問い合わせて相見積りする
金庫は日常的に処分するものではありませんから、金庫の処分費用の相場と言われてもピンとこない方がほとんどではないでしょうか。サイズや重さによっても処分費用が異なるので、一概には費用が断定できない部分もあります。ご自宅にある金庫の処分費用相場を知るためには、いくつかの業者から見積りを取ってみましょう。見積りを取れば、大体の相場がわかります。
7. 安すぎる業者は要注意
複数者から見積りを取って、「安い業者に依頼したい」と考えている方もいるかもしれません。「費用が安いに越したことはない」と考えるのは自然ですが、相場と比較して安すぎる業者は、あとから何らかの名目で費用を追加請求してくる悪徳業者であるリスクが高いです。見積りが安い業者には追加費用を請求される可能性があるか必ず確認しましょう。
8. 不要な営業をする業者は避ける
見積り依頼をした途端に過剰な営業がくる場合があります。また、他のサービスとセットで利用することで割引を提示してきたりする業者や、家庭にあるものから不要なものを無理やり探して回収しようとする業者も少なくありません。こういった業者は悪徳業者の可能性が高いです。
9. 大手サイトの口コミをチェックする
業者のホームページにも口コミが書かれていることは多いですが、より信憑性があるのは大手サイトの口コミです。口コミサイトをチェックして、実際の評判を確認しておきましょう。大手サイトだからといって全ての口コミに信憑性があるわけではありませんが、同じような内容が書かれている口コミや、具体的な内容の口コミは信憑性が高いです。
まとめ
耐火性能を持つ金庫には特殊な素材が使われているため、粗大ゴミとして金庫を処分できません。今回金庫を処分する9つの方法を紹介しましたが、金庫の処分なら金庫のプロである専門業者がおすすめです。特に金庫の鍵が開かない場合は、専門業者に依頼すれば解錠から処分までスムーズにできます。
防犯整備士資格を持つベテランスタッフが在籍している「お近くの金庫鍵開けセンター」では、365日対応で平均30分で金庫トラブルに対応しています。見積りは無料ですので、お困りの方はぜひお気軽にご相談ください。