金庫の暗証番号を忘れてしまったときの開け方を詳しく解説
空き巣対策として、自宅や会社に金庫を設置している方は多いでしょう。
ただ、金庫はセキュリティ性が高いぶん、暗証番号を忘れてしまうと簡単に開けられなくなってしまいます。
そこで今回は、「ダイヤル忘れた……」「金庫がどうしても開かない」といったもしもの場合に備えて知っておきたい、金庫の暗証番号をうっかり忘れてしまったときの開け方を解説します。
暗証番号は合っているのに開かない場合の対応方法や、暗証番号を忘れないようにするコツも合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
金庫の番号を忘れたときの開け方
暗証番号を忘れてしまったときの金庫の開け方は、大きく分けて5つあります。
1.思いつく限りの番号を入力する
暗証番号は通常、ユーザーが任意で設定します。
意味のない数字を設定すると、後から思い出せなくなる可能性があるため、多くの方は自分にとって意味のある数字を設定するはずです。
そのため、自分や家族に関連する番号を片っ端から入力すれば、鍵を開けられる可能性があります。
どんな番号を設定するかは個人によって異なりますが、よくある番号の例には以下のようなものがあります。
- 本人や家族の誕生日
- 携帯電話の番号
- 車のナンバー
- 免許証の番号(下4桁など)
第三者が容易に推測できるリスクを避けた場合は、引越し前に使っていた電話番号や、好きな芸能人の誕生日、学生時代のクラス番号、出生体重などを暗証番号にしている方もいます。
思いつく限りの番号を試しても開かなかった場合は、ほかの方法での開錠を検討しましょう。
なお、この方法は金庫を購入した際、自分で暗証番号を設定した場合にのみ有効な手段です。
金庫の出荷時に設定されているランダムな数字をそのまま利用していた場合や、暗証番号を自分で変更できない金庫を使っていた場合、適当な番号を使って開錠できる可能性は限りなく低いので、最初からほかの方法を試したほうがよいでしょう。
2.メーカーに問い合わせる
初期設定の番号をそのまま使っている、あるいはもともと暗証番号が変更できない金庫を使っている場合は、メーカーに問い合わせることで暗証番号を照会することが可能です。
暗証番号をメーカーに照会してもらうためには、以下の情報や書類が必要です。
- 金庫の型式
- 金庫の製造番号
- 金庫の鍵番号(あれば)
- 所有者の身分証明書
- 暗証番号紹介の申込書(確約書)
1~3の情報は5の申込書に記載し、4の身分証明書の写しとともにメーカーに送付する必要があります。
申込書は、メーカーへの電話連絡またはWebからの申し込み後で自宅または会社に郵送してもらうか、あるいはメーカーの公式サイトからダウンロードして手に入れることもできます。
この方法の利点は、金庫を確実に、かつ傷つけずに開錠できる点です。
一方で、郵送によるやり取りが必要であることから、金庫を開けられるようになるまである程度の日数を要します。
時間がかかってもよい場合や、金庫を再利用したい場合におすすめの方法ですが、今すぐ金庫の中のものを取り出したい場合は、ほかの方法を試しましょう。
なお、金庫の暗証番号照会には、メーカー規定の手数料がかかる点にも注意が必要です。
3.非常開錠キーを利用する
テンキー式金庫の中には、暗証番号を忘れた場合や、電池切れが起こった場合などに備え、非常開錠キーが用意されているものもあります。
非常開錠キーを使えば、金庫の鍵穴にキーを差し込んで回すだけで、金庫を開けることができます。
非常開錠キーは金庫を購入した際の付属品として同梱されるものなので、メーカーに手数料を支払う必要はありません。
コストをかけず、かつ金庫も傷つけずに開けられる便利な方法ですが、すべてのテンキー式金庫に非常開錠キーがついているわけではありません。
鍵穴がついていない、あるいは暗証番号を入力した後に鍵を回さないと開けられないといったタイプの金庫では、この方法は使えませんので要注意です。
4.金庫を壊す
思いつく限りの番号を使っても開錠できず、かつ今すぐ金庫を開けたいという場合は、思い切って金庫を壊すという方法もあります。
小型の手提げ金庫程度であれば、バールを金庫の蓋の隙間に入れてこじ開ければ、比較的簡単に壊すことが可能です。
ただし、壊れた金庫は二度と使えなくなるほか、バールでこじ開けた際に保管していたものが破損するリスクもあります。
また、バールを使って金庫をこじ開けるにはある程度の力が必要なので、女性やご高齢の方には難しいという問題もあります。
バールの扱いに慣れていない場合、男性でもケガをしたり、手を痛めたりする可能性がありますので、金庫を壊して開錠する方法はおすすめできません。
なお、中型サイズ以上の金庫に関しては、バールのみでこじ開けるのは困難です。
その場合、サンダーなどの工具を使って金庫の扉と本体のつなぎ目に隙間を作った後、バールでこじ開けることになりますが、かなり大がかりな作業になるため、ケガのリスクが高まります。
また、サンダーやバールが手元にない場合は新たに購入しなければならず、思わぬ出費を強いられます。
そもそも、造りがしっかりした防犯性の高い金庫の場合、市販のサンダーやバールを使ってもこじ開けられないケースがほとんどです。
開かなくなった金庫が中型サイズ以上のものなら、自宅で破壊して開錠する方法は諦めたほうがよいでしょう。
5.鍵開け業者に依頼する
金庫を今すぐ開けたいけれど、自分で壊せないor金庫を傷つけたくないという場合は、鍵開け業者に依頼するのがおすすめです。
鍵開け専門の業者は、鍵開けに関する豊富な知識と実績を持っているほか、金庫を開錠するために必要なさまざまな道具を用意しています。
金庫自体の機能に不具合があったり、故障していたりする場合は別ですが、基本的にはなるべく金庫を傷つけない方法で開錠してくれるので、後に暗証番号さえ変更すれば、引き続き金庫を再利用することが可能です。
金庫の状態によっては、所有者の同意を得たうえで、やむを得ず破壊して開錠することもありますが、プロが専門の道具を使って作業に当たるため、中のものを安全に取り出すことができます。
業者によっては最短で依頼した当日に作業してくれるところもありますので、今すぐ金庫を開けたいという要望にも対応できます。
自分で開錠する方法に比べると費用はかかりますが、迅速、安全、確実に金庫を開けたい場合は鍵開け専門業者に依頼することを検討しましょう。
金庫の暗証番号は合っているのに開かないときの対応方法
金庫の暗証番号は合っているはずなのに、なぜか金庫が開かないという場合の対応方法を7つご紹介します。
1.金庫の開け方を再確認する
暗証番号は合っているのに金庫が開かないという場合、金庫の開け方そのものを勘違いしている可能性があります。
金庫の開け方は付属の取り扱い説明書か、メーカーの公式サイトなどで説明されていますので、正しい開け方を再確認してみましょう。
金庫の開け方はメーカーや製品によって若干異なる場合がありますが、以下ではとくに開け方が特殊な鍵付きダイヤル式金庫(例:暗証番号4桁「10-5-4-8」)の一般的な開錠方法をご紹介します。
- 金庫の鍵を鍵穴に差し込む
- ダイヤルを右に回して「10」に4回合わせる
- ダイヤルを左に回して「5」に3回合わせる
- ダイヤルを右に回して「4」に2回合わせる
- ダイヤルを左に回して「8」に1回合わせる
- 1の鍵を右に回し、ハンドルを下げて金庫を開く
基本的に、ダイヤルは右→左→右……と交互に動かします。
また、番号を合わせる回数は、暗証番号の桁数に応じて変化します。
上記の例では、暗証番号は4桁ですので、1回目は4回合わせ、2回目以降は3回、2回と1回ずつ合わせる回数が減っていきます。
途中で番号や回す回数を間違えた場合、ダイヤルを右に4~5回ほど回せばリセットされるケースが多いようです。(製品によって異なります)
なお、キングスーパーダイヤル金庫と呼ばれる種類では、左右交互に1回ずつ暗証番号を合わせる方法で開錠できます。
上記の方法に比べるとダイヤルを回す回数は少ないですが、ダイヤルそのものの精度が高いため、セキュリティ性は高いといわれています。
2.電池を交換する
テンキー式金庫は、暗証番号を入力すると金庫内部に組み込まれている電子基板に信号が送られ、鍵が解除される仕組みになっています。
電力はテンキー内部にセットする電池から供給されているため、電池が切れると正しい暗証番号を入力しても金庫を開けることができません。
ほとんどのテンキー式金庫にはバッテリーを示すランプがついており、ランプが消灯したままの場合は電池が切れている可能性があります。
通常、電池はテンキーの周辺、あるいは裏側にセットする仕様になっていますので、電池切れが疑われるときは新しい電池に交換しましょう。
なお、金庫によっては完全に電池が切れていなくても、電池残量が少なくなると開錠不可になるものもあります。
電池残量が少なくなっていることを示すランプ(黄色など)が点灯したら、完全に電池が切れるまで放置せず、早めに交換することをおすすめします。
3.暗証番号を再設定する
テンキー式金庫の電池切れに気づかないまま、長期間放置した場合、製品によっては暗証番号がリセットされてしまうことがあります。
その場合、出荷当時の状態に戻ってしまうので、取り扱い説明書の手順を参考に、再度暗証番号を設定し直す必要があります。
暗証番号の再設定方法は、基本的に番号の変更方法と同じです。
金庫の暗証番号を変更する方法について、詳しくは後述します。
4.暗証番号をスムーズに入力する
テンキー式金庫の場合、次の番号を入力するまでの間に一定時間が経過すると、入力がリセットされてしまうことがあります。
たとえば暗証番号が「1234」の金庫で、1を入力した後、2を入力するのにもたついてリセットされてしまった場合、再び1の入力からやり直さなければなりません。
リセットされたことに気づかないまま、2→3→4の順に押しても入力エラーになってしまい、金庫を開けることはできないので注意が必要です。
一般的に、暗証番号は次の番号を約3秒以内に押さないとリセットされることが多いので、番号入力に時間がかかってしまったと感じたら、初めから入力し直しましょう。
メモを見ながら暗証番号を1つずつ入力すると失敗しやすいので、あらかじめ番号を記憶してから、間をおかずに入力するよう心がけるとエラーを防止できます。
5.ロックがかかったら、しばらく時間をおいてから入力する
金庫によっては、何度か入力を誤るとセキュリティ機能が働き、ロックがかかってしまうものがあります。
ロックがかかる条件は製品によって異なりますが、連続して3回入力ミスするとロックがかかってしまうケースが多いようです。
ロックは基本的に数分~数十分経過すると自動で解除されますので、しばらく経ってから再入力してみましょう。
とくに前項で紹介した4のケースで入力ミスした場合、暗証番号が合っているぶん、ロックに気づかないこともあるので要注意です。
6.金庫の扉を押しながら鍵を回す
金庫の中にぎゅうぎゅうにものを詰め込むと、中でものが引っかかったり、鍵の動きが硬くなったりして、金庫が開かなくなる場合があります。
その場合、鍵を差し込んでダイヤルまたはテンキーで暗証番号を入力したら、ハンドルを持って扉を外側から強く押し込んでみましょう。
そのままの状態で鍵を右に回すと、扉を開けられる可能性があります。
無理に鍵を回そうとするとキーが内部で折れてしまうおそれがありますので、スムーズに鍵が回らないときは無理に力を入れないことが大切です。
7.金庫の修理を依頼する
1~6までの条件に該当しないのに金庫が開かないという場合は、金庫そのものに不具合や故障が発生している可能性があります。
ダイヤル式金庫の場合は劣化によるダイヤルのズレが、テンキー式金庫の場合はソレノイドと呼ばれる電気エネルギーを機械的運動に変換する部品の不具合が、それぞれ起こりやすい傾向にあります。
いずれも部品の修理や交換が必要ですので、業者に作業を依頼しましょう。
修理作業は金庫メーカーのほか、鍵開け業者が対応してくれる場合もあります。
金庫の暗証番号を忘れないようにするコツ
金庫の暗証番号を忘れないために取り入れたいコツや工夫を2つご紹介します。
1.絶対忘れない番号に一工夫加える
暗証番号を忘れないようにするためには、自分にとって関係性が深く、かつすぐに確認可能な番号を設定するのが一番です。
誕生日や愛車のナンバー、携帯電話の下4桁などがこれに該当しますが、これらの番号は第三者にも容易に知られてしまうものなので、そのまま利用するのは危険です。
そんなときは、数字を1つずつずらすなどの工夫を取り入れましょう。
たとえば自分の誕生日が8月15日の場合、4桁の暗証番号は0815ですが、これを1つずつずらして1926にすれば防犯性を高められます。
2.パスワード管理アプリを使う
パスワード管理アプリとは、IDやパスワード、暗証番号などをスマホ上で管理できるアプリのことです。
アプリを立ち上げれば、金庫の暗証番号をすぐに確認できるので、番号忘れの心配がなくなります。
また、暗証番号を安全に保管できるのもパスワード管理アプリならではの利点です。
暗証番号を記載した手書きのメモなどを残すと、もしメモを紛失したり、盗まれたりした場合、第三者が容易に金庫を開けられる状態になってしまいます。
パスワード管理アプリなら、アプリそのものの起動に指紋認証や顔認証、二段階認証が必要なので、たとえアプリを入れたスマホを紛失したとしても、簡単に暗証番号が知られることはありません。
金庫の暗証番号だけでなく、Webサイトのログインに必要なIDやパスワードもまとめて管理できるので、インターネットサービスを頻繁に利用する方にとって一石二鳥の方法といえるでしょう。
金庫の暗証番号を変更する方法
新品の金庫には、出荷時にメーカーが設定した暗証番号が登録されています。
新しく金庫を買ったときは、初期設定として暗証番号を任意の番号に変更しなければなりません。
また、金庫のセキュリティ性をより強化したい場合は、初期設定を終えた後も定期的に暗証番号を変更したほうがよいでしょう。
金庫の暗証番号の変更方法は製品ごとに若干の違いがありますが、ここでは金庫の種類ごとに一般的な暗証番号の変更方法をご紹介します。
ダイヤル式金庫の暗証番号の変更方法
ダイヤル式金庫の暗証番号を変更する一般的な手順は以下のとおりです。
鍵を差し込み、現在の暗証番号に合わせて、金庫を開錠する
金庫内にあるダイヤルボックスから座を取り出す
座を押し込むとダイヤルに数字が出てくるので、好きな数字を打ち込む
座を元に戻す
座とは、数字がついた円盤状の部品のことで、暗証番号の数だけ組み込まれています。
座にはスリットが入っていて、ダイヤルを正しい暗証番号に合わせると、一直線になったスリットにかんぬきがはまって鍵が開く仕組みになっています。
ただ、上記の方法で暗証番号を変更できるのは、手提げ金庫や電子レンジサイズなどの小型金庫のみです。
大型金庫の多くは、自分で暗証番号を変更できない仕様になっているため、暗証番号を変えたいときはメーカーに依頼する必要があります。
その際、製品の型番や製造番号、鍵番号などの情報を伝えなければなりませんので、あらかじめメモなどに書き留めてからメーカーに連絡しましょう。
なお、メーカーへの暗証番号変更の依頼は多くの場合有償です。
テンキー式金庫の暗証番号の変更方法
ダイヤル式金庫とは異なり、テンキー式金庫のほとんどは任意で暗証番号を変更することが可能です。
一般的なテンキー式金庫の暗証番号の変更方法は以下のとおりです。
鍵を差し込み、現在の暗証番号に合わせて金庫を開ける
既定の設定ボタンを押す
ランプが点灯している間に、任意の暗証番号を入力する
既定の設定ボタンを押し、変更を保存する
ここでいう「設定ボタン」とは、金庫ごとに定められている任意のボタンのことです。
たとえばある金庫では2の手順で「C」を押して暗証番号変更モードに切り替え、4の手順で「E」を押すことによって新しい暗証番号を登録できます。
製品によっては「#」ボタンを押したり、「C」ボタンを長押ししたりすることもあるので、取り扱い説明書をしっかり確認して操作しましょう。
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まとめ
「金庫の番号忘れた……」というときには、まず思い当たる番号をすべて入力してみましょう。
それでも番号が分からないのであれば、メーカーに問い合わせて暗証番号を照会してもらう方法もありますが、申し込みから照会まで数日かかる点に注意が必要です。
どうしても金庫が開かない場合は金庫を壊すというのもひとつの方法ですが、素人が無理にこじ開けようとするとケガをするリスクがあるうえ、専用の工具を揃えるのにコストと手間がかかります。
中のものを傷つけてしまうおそれもありますので、金庫を壊すのはあまりおすすめできません。
金庫を傷つけず、かつ迅速に開錠したい場合は、鍵開け専門の業者に依頼することを検討しましょう。